藤田嗣治展は、猫がいっぱいだった!

草野俊哉@三線弾いてハッピーライフ!

2018年10月04日 00:24



東京都微絨掴んで開催中の藤田嗣治展に行ってきた。
開催中と言っても、10月8日で終了になるんだけれど。

藤田と言えば、乳白色と動物(特に猫)が代名詞な訳だけれど、同展でも動物がいっぱいいた。
もちろん、猫が大半だ。

藤田の乳白色は、「赤ちゃん用の粉ミルクを顔料に混ぜて作った」と言われるけれど、確かにそんな感じだ。
粉ミルクのような色だ(たぶん)。
たぶん・・・というのはこういうことだ。
藤田の乳白色は今でも鮮明に脳裏に焼き付いているけれど、粉ミルクの色はうろ覚えなんだ。

乳白色については、いったん横に置いといて・・・藤田と言えば猫だ!

中でもNo36「猫」という作品は、猫そのものが主題だ。
脇役じゃなくて、猫が主役。
というか、猫しか登場しない。

この作品のすごいところは、猫の周りの空間が歪んでいることだ。
背景の描き方がマンガチックというだけのことなんだけれど、空間が波動しているように見えるんだ。
もちろん藤田がそんなことを意図していたとは思わないけれど、僕には「空間の歪み」と見えるんだな。
バロックだな。(バロック=歪んだ真珠)


ちなみにNo75「争闘(猫)」も猫しか登場しないけれど、コチラの空間は歪んでいない。
その代わり、猫そのものが捻じれている。


またNo83「私の夢」にも猫が登場するんだが、「私の夢」はテーマが仏教の涅槃なんだな。
※藤田がキリスト教の洗礼を受けたのは、1959年。
「私の夢」は1947年作なので、日本にいたころの作品。

「私の夢」では、横たわっている女性の周りに多数の猫が取り囲んでいる。
これは、お釈迦様がなくなった時に、大勢の動物がお釈迦様を囲んだ涅槃図と構図が一緒なんだな。
(涅槃図では、動物は脇役だけれど…)


それから沖縄好きとしては、No72「客人」と、No73「孫」が外せない。
どちらも沖縄を題材にした作品だ。
客人の手前に描かれている琉球漆器の赤色がや、孫の遠景に描かれている城(ぐすく)が、沖縄らしくて良い!

今週末に時間がある人は、ぜひ見に行かれることをお勧めします。



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