「ムンク展 共鳴する魂の叫び」では、湖池屋のヒーおばあちゃんが叫んでいる

草野俊哉@三線弾いてハッピーライフ!

2018年11月03日 23:02

東京都美術館で開催中の「ムンク展 共鳴する魂の叫び」を観てきた。




「共鳴する叫び」って、アレだね。
誰と誰が共鳴するんだろう・・・と本気で考え込んでしまう。
少なくとも、僕でないことは確かだ。
それとも犬が遠吠えすると、ほかの犬が遠吠えするようなものかな。

美術館的には「ムンクと、鑑賞者であるあなたが共鳴」することを狙っているのだろうけれど。

作品とは共鳴しなかったけれど、ショップの「湖池屋 カラムーチョ」と「湖池屋 スッパムーチョ」には激しく共鳴してしまった。
詳細は、湖池屋のプレスリリースにお任せするとして・・・。
https://koikeya.co.jp/news/detail/959.html

見どころは、パッケージの裏だ。
表は、ヒーおばあちゃんが「叫びポーズ」をしている場面なんだが、裏は「叫びポーズを後ろからみた図」になっているんだ。
絵画には裏面は無いけれど(祭壇画などの例外はあるが)、立体物なら裏面がある・・・と言うことで、叫びポーズをしているヒーばあちゃんの後ろ姿が描かれている訳だ。

芸が細かいなぁ!

ちなみにレジ前の列がすごかった。
ショップの外にまで、列は並んでいた。
「ここが最後尾です」という看板を持つスタッフさんまでいた。
平日の昼間なのに。

話を会場に戻すと・・・、
展示の目玉は「叫び」と、「マドンナ」だ。
ムンクの代名詞的な作品だ。
両作品については、いろんな人がブログで取り上げているので、僕はパスしよう。

僕的には、会場の第1コーナーのタイトル「ムンクとは誰か」が、ナイスなキャッチだと思う。
第1コーナーでは、自画像ばかり12点が展示されている。
「モデルになってくれる友達はいなかったのでしょうか?」、あるいは「ナルシストなのでしょうか?」と思わず突っ込みたくなるほどだ。

No33「幻影」
描かれているのは「ケルビム状態」の人物。
あるいは「入水自殺直前の、水面より首から上だけがかろうじて残っている」と言いたくなるような状態の人物。
「幻影」に限らず、ムンクの作品は死を連想させる作品が多い。

No37「瞳、声」
描かれているのは、進撃の巨人みたいな人物。林をバックに、顔の上半分だけが描かれている。
地面の下には、巨人の巨体が隠されているんだろう・・・たぶん。

ちなみにNo36「夏の夜、声」は、巨人から人間に戻った直後の「女型の巨人」が、林をバックに描かれている。

No39「浜辺にいる二人の女」、No40「浜辺にいる二人の女」
両作品は、同タイトルで、同一の主題を扱っている。
海辺にたたずみ、これから入水自殺しようとしている女性と、その脇にチョコンと存在する(死神のような)女性が描かれている。
主題としてのメメントモリは好きだけれど、「滋賀友達」じゃなくて「死が友達」は微妙だね。

No83「ダニエル・ヤコプソン」
左足のかかとの上あたりに、馬の蹄が描かれている。
馬の蹄は「悪魔と手を結ぶ」ことを意味するらしい。
そうなのか、知らなかった(-_-;)
ヨーロッパの常識は僕の常識とは異なるから、知識がないと絵画は理解できないねぇ(-_-;)

※(作品番号は忘れた)赤毛を扱った作品のキャプションに「赤毛は原罪を連想させる」と書いてあった。
これも、知識がないと理解できないパターンだ。
知らないと、「赤毛の女性が描かれた作品ですね」で終わってしまう。
そして僕は、「赤毛のアン」がなぜ、疎外されるのかも理解できた。

No98「犬の顔」
この作品を見て、気が付いた。
動物がほとんどいない。
生や死、あるいは性のことばかり描いている象徴主義の作家としては、当然のことかもしれないけれど。

この犬は、何度見ても笑っちゃうんだ。
「目の周りを隈取した男性」と勘違いするような犬なんだ。
生死や性の中で、おもわず「ほっこり」する作品なんだ。

いろんな意味で、お勧めだね。

善は急げ・電話も急げ・ムンク展はもっと急げ!

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