猫充主義者の美術館巡礼

三線を仕事にしていて、
良いことは沢山ありますが、
そのひとつは、
「仕事に(で)殺されることはない」ことです。


愛風Zさん、コメントをいただきありがとうございます。
送電線の用地交渉をされていたのですね。
私は用地交渉の補佐をしたことがあります。

私の職歴を正確に書くと
「東京の送電線の測量会社に6年在籍
うち１年は住友電○に出向、
用地取得から東京電○の検査終了まで従事。
鉄塔には、ときどき昇っていました」となります。


愛風さんならお分かりいただけると思いますが、
鉄塔に昇って行う作業って、
本当に命がけなんですよね。
実際、目の前で事故を見ましたし・・・。

地上0mでは無風でも、
地上20mくらいでは、それなりの風が吹きまくり、
地上40mを超えると、相当なパワーの風が吹きまくり、
地上の人間が蟻に見える高所で、
足幅より狭い鉄筋1本の上に乗っかって、
斜めに延びた鉄筋（垂直でないところが泣かせる）が手の届くところにあればラッキーで、
無ければ命綱1本を最寄の鉄筋に引っ掛けて、
両手を離して、
空中に投げ出す感覚で後ろに体をそらせて、
自分の意思とは関係なく勝手にガクガクする膝に怒りを覚えながら、
器械類を操作するわけです。


今でも憶えていますが、
はじめて鉄塔に昇った時は、
20～30mの地点で、
昇ることもできず降りることもできず、の状態になってしまい、
蝉のように鉄塔に20分弱の間、へばりつきました。

2回目に登った時は40～50mの地点に、
器械を設置して操作することができましたが、
他の人の3倍くらいの時間をかけて昇り降りしました。


私は高いところが好きで、
木登りなら（杉のように登りやすい木なら）10m～20Mmは、
スイスイと登っちゃいます。
そんな私が恐怖を覚えたんですから、
鉄塔の仕事は大変ですよ。
もっとも送電線のブランコ乗りは、
更に輪をかけて大変ですけど…。


三線の仕事は良いですよ。
少なくとも、
生命の危険を感じることはありませんから。

日々、生命の危険ではなく、生命の楽しさを感じるクイチャーパラダイスのHPはこちら
http://www.quipara.jp/

2011年4月7日追記
「危険と隣り合わせ…高圧電線の上で働く作業員たちの姿いろいろ」ｂｙらばQさんで、
らばQさんは「雨に濡れたり風に吹かれたらどうなっちゃうのでしょうか。 」と書いているけれど・・・。

鉄塔や送電線が雨に濡れた程度では、作業は中止にならない(少なくともあの頃は)。

地上では無風でも、上空ではいつも強風が吹いている。
だから風に吹かれるのは「当たり前の状態」。

ちなみに写真の送電線が銀色なのは、電気を通す前だから。
電気を通し始めたら、すぐに黒くなる。